令和7年 頃安雅樹会頭・年頭のご挨拶2025年01月06日
年頭のご挨拶 会頭 頃安雅樹
令和7年の新春を迎え、心よりお慶びを申し上げます。
旧年中は、当龍野商工会議所の活動に格別のご理解とご協力を賜り、ありがたく厚くお礼を申し上げます。
さて、私の新年の抱負を一言で申すなら、「サステナビリティー(=持続可能性)への貢献」であります。
具体的には「1.地域産業の持続的発展」「2.地域社会の持続的発展」「3.個々の会員企業の持続的発展」それぞれへの貢献であります。
以下順に申し述べます。
1.地域産業の持続的発展
龍野地域の産業構造には、「大企業の工場群」、「長年重厚長大型の大企業を支えてきた多種多様な基盤技術を有した企業群」、そして「醤油・素麺・皮革を中心とした地場産業の企業群」の3 つの企業群が集積しているという大きな特徴があります。それぞれは既に十分強固ですが、相互連携を深めることによって、地域産業は更なる飛躍を遂げる可能性を秘めています。
この相互連携をコーディネートするには高度な専門性が要求されますので、大学や研究機関の協力が不可欠となります。そこで、令和5 年5月に当所が連携協定を締結した兵庫県立大学のご協力を頂いて、この3つの企業群の相互連携を深めているところであります。
その先駆けとして、昨年6 月、産学連携協定締結1 周年を記念して、県立大副学長である畑豊社会価値創造機構長に、大学と連携した生産性向上への取組みについてご講演頂きました。併せて、9 人の部会長が、部会ごとに設定したSDGs のゴールとゴール達成に向けた事業計画を発表しました。部会ごとに業界の課題解決と発展につながる事業を計画し、県立大からの支援・協力を受けて今まさに実施しているところであります。
これに加えて、行政からは、産業振興施策や規制緩和による環境整備をお願いしたいと思っています。この産学官の連携の推進によって、地域産業が持続的に発展していく礎を築いてまいる所存であります。
2.地域社会の持続的発展
上記の前提として、龍野地域の経営環境を整備していくことが必要不可欠です。経営環境の整備、すなわち龍野の「まちづくり」を進めていくということです。
一昨年、金融機関のご協力を得て、重伝建に認定された川西地区の賑わいを創出するため木製テントを作成しました。昨年、それに続く取り組みとして、三井住友銀行が、賑わいに憩いを与えてくれる木製ベンチを作って下さいました。これも「まちづくり」の大事な一歩と考えます。
たつの市は、総合医療・介護施設、大型商業施設やホテルを核とした複合施設等様々な開発案件が目白押しです。工業団地の拡充構想についても仄聞しています。当所も地域総合経済団体として、龍野地域の持続可能な発展を目指して「まちづくり」にも積極的に取り組んでまいります。
3.個々の会員企業の持続的発展
翻って、個々の会員企業の状況を見てみますと、人口減少といった長期課題に加え、依然として続くコロナ禍の影響、更に物価高騰という大きな課題にも直面しています。当所は、この厳しい経営環境の中、事業継続に向け懸命に経営努力を行っている会員企業へのきめ細やかな支援に注力してまいりました。
具体的には、現状の経営分析を行い、成行き経営から経営計画に基づいた経営への移行を推し進めました。経営指導員による巡回相談を中心に、セミナー、専門家派遣等様々な取組みを行っています。経営計画作成・実行支援に加え、頻発する自然災害に備えた事業継続計画作成に向けて、啓発活動にも取り組んでいます。
また、IT を活用して生産性向上に努める会員企業への積極的な支援を展開してまいりました。各社がDX を推進するに当たって立ちはだかっている知識不足、人材不足、資金不足といった課題を乗り越えるため、ソフトをリスト化し導入特典も付与した「デジサポ」事業を立ち上げ支援に努めています。併せて、脱炭素社会への対応を支援するため、二酸化炭素排出量測定システムの活用をサポートする「見えサポ」事業を開始しています。
以上の通り、龍野商工会議所は、「サステナビリティーへの貢献」の掛け声のもと、龍野地域の持続可能な発展と会員企業の持続可能な成長を目指して、引き続き諸施策の推進に努めてまいりますので、より一層のご支援·ご協力をお願い申し上げます。
最後になりましたが、皆様の益々のご繁栄とご多幸を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
令和7年1月